その詩に谷川俊太郎さんの百分の一ほども親しみ易さは
ないかもしれませんが…。
エッセイストとしての荒川洋治の文章はより広く読まれなければ!!
小林勝、阿部知二、金達寿。このエッセイ集で触れられている作家の
一部です。決して今、頻りに話題に上る人達とは言えないでしょう。
しかし、荒川洋治の筆によって書き留められた彼らの作品への
〝感想〟は、どこまでも普遍的に日々に生活に目を向けさせてくれる
契機に満ちています。
「遠くに置かれるものには、これからは手にできないもの、という
ものがあるように思う」
『過去をもつ』
荒川洋治
(みすず書房・2,916円)
【さいたま朝日2016年8月号掲載】
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