県立浦和高校のグラウンドの片隅にあった、長屋の窓が8つあり、ハーモニカの
音階ように見 えることから通称「ハモニカ長屋」と呼ばれた浦和高校の教職員宿舎。
ここで昭和20年から中学生になるまでの約7年間育った著者が、北浦和界隈の様子、
歴史の移り変わりを綴った回顧録。当時を知る人にとってはとても懐かしい情景が
描かれ、思い出がよみがえり、また当時を知らない人にとっては新鮮な驚き、そして
今と変わらぬ様子が書かれているのを見つけたときの喜びを味わえる。
北浦和界隈の戦後まもなくの様子が書かれた貴重な1冊。
ハモニカ長屋の頃 昭和二十年代の北浦和
田中 薫
さきたま出版会・1,620円
(さいたま朝日2018年3月号掲載)
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