上尾市の小学校で教員をしていた私は、34年間、北区日進町の自宅から自転車で通勤していました。
本格的な自転車での遠出を考えるようになったのは50歳を過ぎてから。サイクリングのサークルに入
りウズベキスタン遠征、トルコ遠征に参加。そこでタイヤのパンク修理、自転車の長期遠征の基礎的
ノウハウを教わりました。
「退職したら体力のあるうちに近代文明の中心であるヨーロッパを自転車で横断したい」と思い、ア
ジアとヨーロッパの境目のトルコのイスタンブールをスタート地点としてギリシャ、イタリア、フラ
ンス、スペイン、そしてユーラシア大陸最西端ポルトガルのロカ岬まで、6ヶ国・総距離6000Km
の計画を立てました。期間はEU諸国内の観光ビザの有効期限である3ヶ月。
63歳で仕事を辞め、ヨーロッパ遠征の準備をしました。英語の習得には、ラジオの英語番組からアメ
リカ人講師の英会話教室、通信教育などに取り組みました。自信の持てるレベルには程遠かったです
が、外国の人とも臆せず接する度胸だけは身に付きました。コースについては、地図やガイドブック
で検討。時には東京のスペイン大使館やフランス大使館、ギリシャ大使館を直接訪問し、情報を集め
ました。こうして準備を進め、2012年4月3日、不安と緊張のなか、「わが人生最大の冒険」が始まり
ました。
『65歳のチャレンジ! ヨーロッパ大陸自転車単独横断日記1』中里清志(北区)
【さいたま朝日・紙面より】
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