さいたま市地方記者クラブ加盟   「さいたま朝日」は、毎月第4日曜日発行!
洋食セーヌ軒 神吉拓郎 - さいたま朝日WEB

洋食セーヌ軒 神吉拓郎

2018.10.5|TOPICS さいたま朝日紙面より

このエントリーをはてなブックマークに追加
Check

洋食セーヌ軒

 神吉拓郎

光文社・756円

美味しい料理と共に、人とこころが一瞬でもふれ合う喜び、

すれちがう切なさを描いた17篇の短篇集。

食べものを扱う本は最近多いですが、この本で特に推したいのは

文章にとにかく味がある!

登場人物たちの会話が洒落ているところです。会話中の

「二人」という言葉を「ふたあり」と表すことで、話している

女性のゆったりとした雰囲気が出ていたり、表現を大切にされているな、

と感じます。

各話20ページないのですぐに読めますが、1行ずつ味わいながら読みたい

素敵な本です。もちろん食べものの描写もとっても美味しそうで、

冒頭1行目の「それにしても、見事な虹鱒だった。」は秀逸です。

お腹が空いている時に読んではいけない物語。疲れた時に、

じわっとこころに染み入る物語。

1605洋食セーヌ軒

【さいたま朝日2016年5月号掲載】

コメント一覧

コメントはありません。

この記事にコメント

コメントは受け付けておりません。