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見沼田んぼカンゾウの土手物語 - さいたま朝日WEB

見沼田んぼカンゾウの土手物語

2015.6.19|TOPICS さいたま朝日紙面より

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いつの頃からか、見沼田んぼ西縁にはヤブカンゾウが自生し、

地元の農家も保護していた。生活形態の変化に伴う機械による

草刈りなどによって、ヤブカンゾウの数が減っていた。その再現を

願うある農家の人が、平成6年ごろから一人で自宅前の土手で

再生を試みる。

平成8年からは同じ地域に住む自治会員らが春と秋に草刈り作業を

始めたが、その活動が徐々に広まり、当初120メートルだった保護

地域が、現在は1.5㌔に拡大。

1505特6草刈り作業風景

平成17年に、この活動を永続させるために、農家さんが所有して

いた土地の提供を受けて「NPO法人カンゾウを育てる会」が発足。

ヤブカンゾウ自生地を拡大させ、地域住民が自ら見沼の自然を

守ることで、居住区を超えた交流を図り、愛着の持てる街づくり

を目指して活動している。

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その後、誰もが西縁の自然を安心して鑑賞できるよう市に一部

遊歩道化を要望して実現。以来、木崎、皇山、上木崎、大原

1・2丁目の各自治会共催の観桜会が開かれている。

また湧き水を有効活用してトンボ池を企画、蛍の育成などにも

取り組み、平成21年には国土交通省から「みどりの愛護」

功労者、環境省から「環境保全」功労者を同時受賞。

平成26年には「川の応援団 美化活動団体」として県知事

表彰を受けた。

カンゾウを育てる会の活動を広げるきっかけとなった農家さんは

一昨年に88歳で他界するが、長年一緒に活動してきた会員からは、

この土手に「農家さんの名前を残せたら」という声も出ている。

1505特9

【さいたま朝日2015年5月24日号掲載】

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